20代など若者層がガンに…!?子宮頸がん検診のすすめ

“がん”

若者層には縁がないものと思われているかもしれません。
しかし、がんの種類によっては若者層のほうがかかりやすいがんもあるのです。その一つが、子宮頸がん。
子宮頸がんは若い女性に増えており、20歳代の子宮頸がんの発生率は、この20年間で2?4倍に急増しています。

子宮頸がんとは

子宮頸部の入り口である外子宮口のあたりに発生する事が最も多いがんです。通常、子宮頸がんは一定の時間をかけてゆっくりと増殖します。がんが発見される前の段階として、子宮頸部の組織にがんに進行する可能性がある細胞が増えていきます。これを異形成と呼びます。定期的に検診を受ければ、がんになる前の異形成の段階で見つけることが可能です。

症状がわかりにくい

子宮頸がんの場合、初期には全く症状がないのが普通です。月経でない時の出血(不正性器出血)、臭いの強いおりものなどの典型的な症状は、ある程度病気が進行してから現れます。普通の婦人科の診察で容易に発見できるので、検査を受けることがとても大切です。

子宮頸がん検診の大切さ

病気を進行させないために大切なこと、それは早期発見です。
特に子宮頸がんの場合、早期発見によってがんを予防することができるのです。

「ヒトパピローマウイルス(HPV)に持続的に感染すること」が子宮頸がん発生の原因と考えられています。HPVは性交渉により感染し、多くの女性が一生に一度は感染すると言われる、ありふれたウイルスです。
通常はウイルスに感染しても、異物を排除する免疫機能により排除されますが、ウイルスが排除されずに長期間感染が続く場合があり、ごく一部の人の細胞ががん化する事があります。
子宮頸がん細胞は、HPVの感染から5?10年の歳月をかけ増殖するといわれています。
そのため、定期的に検診を受けていればがんになる前の段階で診断することができるのです。
つまり、検診をすることでがんになる可能性をかなり低くすることができるということです。

女優・原千晶さんも“検診の大切さ”語る

女優の原千昌さんは、2度の子宮がんを経験しています。
原さんは、映画のイベントで検診の大切さを訴えました。

「子宮頸がん検診は絶対に受けた方がいい」

「皆さんも好きな人がいますよね。
男の人とつきあうことになって、自然な形でセックスをしますよね。
その元にはラブがあるわけじゃないですか。」
「病気は怖いし、若いわたしには関係ない、という気持ちは分かる。
虫歯にならなければ歯医者に行かないのと一緒。
でもわたしも知識がなくて、しっかりと病気に向き合わなかった結果、
子宮を失ってしまい、人生が変わってしまった。」

原さんの言葉からも、検診の大切さが伺えます。

受診率アップのため、病院で“検査用パンツ”の導入

アメリカでは、一般に乳がんと子宮頸がんの検診が行われております。
その受診率は、70%?80%と高い数字に対し、日本は30%にも満たない結果となっています。

その原因としては、
「検査時の身体体制に対する羞恥心・屈辱感」があげられます。
しかし最近では、“子宮頸がん検査用パンツ”が発売され、病院に導入されつつあります。

検査用パンツははいたまま検査を受けることができ、露出する部分を減らすことができます。
「女性検査用パンツ」の開発に携わった獨協医科大学病院乳腺センター准教授の渡邊久美子先生は医学生時代に内診台にのった患者さんが必死で膝を閉じようとするのを見て、「せめて露出部を狭くしてあげれば恥ずかしさも減るのに……」と思ったことをきっかけに、一人でも多くの人が婦人科検査を受けやすくなるようにと、パンツを考案しました。

子宮頸がんは、検査さえすれば防げる病気です。20歳以上の女性の場合、自治体から検診の案内やクーポンが送られているので、必ず検診を受けるようにしましょう。